膝の過伸展(反張膝)はなぜ腰痛を引き起こすのか?

こんにちは。
浦安駅前鍼灸整体院です。
今回は『膝の過伸展(反張膝)が腰痛に及ぼす影響について』のコラムになります。
一見膝と腰は関係のないように感じますが、実はとても関連性の高いところなります。
しっかりと原因を探って、腰痛を改善していきましょう♪

反張膝とは?

”反張膝”って初めて聞く言葉なんですけど…。

膝がまっすぐを通り越して”後ろ方向に反ってしまう状態”を反張膝といいます。

特に女性や柔軟性の高いスポーツ選手に多くみられる特徴です。

・立位で膝が反る

・つま先より重心が後ろに行きやすい

・無意識に膝をロックして立ってしまう

反張膝は立ち癖のように感じられますが、実は腰痛の大きな原因になる姿勢パターンでもあります。

”反張膝”で痛みが出ていない方も多いため、ご自身では”反張膝”ってことに気が付いていない方も多いですね。

反張膝が腰痛を引き起こす3つのメカニズム

①骨盤の前傾が強まり、腰椎の反りが増える

ひざが後ろに反る→重心が後方へずれる→バランスを取るために骨盤が前に倒れる(前傾)

その結果、腰椎の前弯(反り腰)が強くなる→腰椎への圧縮ストレス増大

→腰のつまり感や慢性腰痛に繋がる

ピラティスで反り腰を解消!原因から改善エクササイズ、スタジオ選びまで – Pilates Synergyより画像引用

②前側の太ももの緊張(大腿四頭筋)とお尻の機能低下が起こる

反張膝では立位で大腿四頭筋が常に働き、逆に太ももの後ろ(ハムストリングス)・

大殿筋が働きにくくなる

・太ももの前(大腿四頭筋):過緊張

・お尻:機能低下(特に中殿筋・大殿筋)

この筋バランスは骨盤を前に引っ張ったり、腰の反りをさらに強める。

→腰の筋肉に負担が集中。

③衝撃吸収ができず、腰に過剰な負担がかかる

正常な立位では「足→膝→股関節」で衝撃を分散するが、

反張膝は膝の”ロック”によりスプリングの役目をするショックアブソーバー機能が低下する。

歩行でも立ち仕事でも衝撃がダイレクトに骨盤や腰椎に伝わりやすい。

→日常動作で腰痛が慢性化しやすい。

特に腰痛になりやすい反張膝のタイプ

✅女性に多い『柔らかすぎるタイプ』

関節弛緩性が強く、膝が過伸展しやすい。

✅アスリートに多い『膝ロックタイプ』

跳ねる・止まるの動作で膝を反らせて安定を作ってしまう。

✅反り腰・猫背の『混合タイプ』

骨盤前傾+上半身は猫背

→腰だけ過剰に反るため、慢性腰痛になりやすい。

これらの『タイプ』が臨床でもよくみられますね。

反張膝×腰痛の改善に必要な3ステップ

STEP1:膝を反らせない立ち方の学習

・かかと重心をやめる

・”膝をロックしない”立位練習

・軽く膝を緩め、股関節で立つ意識

STEP2:太ももの前とふくらはぎのリリース

・大腿四頭筋

・腓腹筋・ヒラメ筋

・大腿筋膜張筋

これらの筋肉を緩め解放することで膝が反りにくくなる。

STEP3:お尻・ハムストリングスの活性化

・ヒップヒンジ(お辞儀の動作)

・クラムシェル

・ルーマニアンデッドリフト(軽負荷)

→骨盤の前傾が整い、腰痛が改善。

何だかやることが多くて大変そうですね…。

文字で書くと沢山あるように感じますが、慣れてしまえばそこまで負担はないと思いますよ!
この3つのSTEPはどれも大切ですので、欠かさないようにしてくださいね♪

反張膝は”膝だけの問題ではない”

反張膝は膝の形の問題だけではなく、全身の姿勢の連動性の問題です。

・足部のアーチ

・股関節の可動性

・骨盤の位置

・体幹の安定性

これらが崩れると膝が”最終防御ライン”として反ってしまう。

まとめ

反張膝はただの膝の癖ではなく、腰痛を引き起こす全身連動性の乱れを引き起こします。
膝を反らせて立つ癖が骨盤の傾きから腰椎まで負担を広げていきます。
適切な立ち方、筋バランスの改善、そして本人に合った”快適姿勢”の再構築が腰痛改善への最短ルートになります。
「膝が反る癖がある」「反り腰を治したい」方には、まず膝~骨盤~体幹の連動性チェックがおススメです。

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